SAKAGUCHI KEN FACTOY,inc. 2-14-10 Misyuku,Setagaya-ku,Tokyo,Japan 154-0005 TEL:03-3424-2304 FAX:03-3424-2341
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014◆Somewhere/Nowhere 1995
    オレも世界を廻った、廻った。 --2



  1995年この夏、LONDONのアーティストとともに『JAPAN EXCHAGE 1995 NO MORE HIROSHIMAS』に3点のポスターを出品することとなり、オレがこれまで、広島出身の『THE STREET BEATS』や『アナ−キ−』『THE BLUE HEARTS』をモチ−フに制作したPEACE POSTERが、日本代表で選出され、、、LONDONの各所のイベントや、美術館を巡回した。で、、、今年は前半戦かなりの勢いで忙しかったから、欧米並にウチの事務所も1カ月間の長期休暇だぁ!って。思いきってオフにして、事務所のみんなで、夏のLONDONで住んじゃおうッ!!!!!ってことにした。で、19歳の頃、始めて滞在したLONDON市内エッジウェアロ−ドにフラットを借りた。

  が、そこに、『中山美穂』のアルバム『Mid Blue』ジャケットデザイン+Tour1995『f』+カレンダーにおけるグラフィックワークで、またL.A.に来て仕事!してくださーい。って、オ−ダ−が来た。事務所のみんなは、それぞれで、スケジュールを見つめて、入りの日程はバラバラに組んで、、、LONDONに向かうこととして、、、オレは、とにかく急いでL.A.に向かった!あとから、フラット行くからって、言って。
  カメラマンは、オレが当時大好きだった映画『カルフォルニア』(まだ、売れる前のブラッド・ピットとジュリエット・ルイスが出てた映画)で、ポスタ−のスチ−ルを撮ってた『フィリップ・ディクソン』に『Mid Blue』ジャケットを。
  NEW YORK在住の『マ−ク東野』には、Tour1995『f』+カレンダーの撮影を。って具合だ。ブックを見て即2人のカメラマンにオファ−した。   
  L.A.に着いたら、アロハ・シャツ着て、もうすっかり西海岸の人になっちゃってるディレクタ−のJOHNNYさんが、お似合いのアメ車で迎えに来てくれた。そして、また、ウエスト・ハリウッドのHOTELだ。
  さっそく、レコ−ディング中の美穂ちゃんに「オイッ〜ス!元気ぃ〜!」なんて挨拶して、みんなで食事したら、夜はオレ一人でL.A.の夜に!挨拶がわりに、LIVE HOUSEへGOだ!『BAD BRAINS』ウイスキ−・ア・ゴ−・ゴ−で見て、その狂ったアタマで向かいのクラブへ!で、仲良くなったヤツを引き連れ、オレの部屋で、また呑んだ。気が着いたら、オレったら、そのまま寝ちゃってたみたいで、あのモヒカン野郎!何処行ったぁ!って!「サンキュ!テイク・ケア−!ケン」ってメモが残ってた。
  で、翌日。まずは、Tour1995『f』の仕事。早速オレのイメ−ジを美穂ちゃんを含めたオ−ル・スタッフのミ−ティングをした。今回は、別部隊でプロモクリップも撮影することになっていて、Tour1995『f』のスチ−ルは、その映像と平行するかたちで、アメリカのロ−ド・ム−ビ−のように、まるで美穂ちゃんが、一人旅でもしてるがごとく、、、撮影大部隊がL.A.近郊をグルグルと廻った、廻った、廻った。オレも『マ−ク東野』さんが持ってきた16mmFILM(これも、L.A.っつうか、アメリカでしか流通・現像してないもの)を借りて、グラフィック用にガンガン撮りまくった。
  早朝から日暮れまで、普段なら撮影して疲れてるってのに、撮影現場は空気も良く、みんな大満足だったから、オレったら、まだまだ!元気!元気!その日も『WHITE ZOMBIE』のライブが楽しみで!楽しみで!サンタモニカのシビック・センタ−まで車飛ばして、見に行った。この日のヤツラのライブは最高!で。巨大なスクリ−ンには、なぜだか、『デビルマン』のアニメ映像やら、ながれてたり、首吊りにみえる人形が天井から、降ってきたりで、、、。あと、入場の時にみんな警備員に没収されて捨てられてたハズ!のライタ−の火!が客席いっぱいに着けられてたり、、、オ−ディエンスのパワ−!これがまた、凄まじい!、、、、、、、、
  まあ、アルバム『ASTRO-CREEP:2000』は、その当時のオレのお気に入りの一枚だったから、、、とにかく!感動した!オレもフロントまで行ってダイブしたりして、オオハシャギ!だったのだ。(その何年か後に、まさか『zilch』のメンバ−となって、BASSの『SEAN』が来日して、これまた、一緒に仕事したり、ジャケット作るようになるなんて、、思いもしなかったけど、、)
  『マ−ク東野』さんとも、一緒にタワ−レコ−ド行ったりして、、ほかにNEW YORKでどんな撮影してますかぁーなんて聞いたら、こりゃまたビックリ!オレの大好きな『THE JESUS AND MARY CHAIN』やら、ハノイ・ロックスのマイケル・モンロ−がNEW YORKで組んでたバンド『DEMOLITION23』、、、なんだってぇ!オレがブックを見てイメ−ジしたのは、ファッション・カメラマン『マ−ク東野』。だから、ここにも、落とし穴!あり。なのだ!、、、クリエイティブの世界も、クラス分類してるけど、、、それ!ぜったいイケテナイ!ことだって!「オマエ。何系?!」なんて、ウンチみたいなこと!言っては、いけないのだ。
  その翌日は、カレンダーの撮影だ。が、こればっかりは、すべての季節をL.A.の空気で表現しちゃ、いけない。で、これまた、はじめて、L.A.でスタジオ・シュ−ティングした。大きく7ポ−ズのスタイリング+ヘアメイクで!できる限りシンプルなポ−トレイトを撮影した。また、この場を借りて、、、創刊からずぅーと、ロゴのデザインと表紙のア−ト・ディレクションを続けている本の情報雑誌『ダ・ヴィンチ』の撮影も、一緒にしちゃった。、、、、あーあと、そこのスタジオのアンちゃんは、すげーROCK好きらしく、話が盛り上がり、オレがスタジオで聞いてた日本のBANDにも、興味を示した。、、、で、帰りに、ココにあるCDなんでもあげるよッ!って、レコ−ド・メ−カ−からもらったらしき、、、CDのサンプラ−の山を、指した!なんか、いっぱいもらった。『Aphex Twin』とか、アメリカで売れそうにもないもん、ばっかり、、、、。
  その仕事終わって、アルバム『Mid Blue』のレコ−ディングに突入するらしく、2週間くらい時間を置いてから、またL.A.で、みんなで再会しましょう!ってことで、オレは一人、L.A.→LONDONへ移動した。なにしろ、アメリカ大陸上空をフライトして大西洋を越える、、、始めてのコ−スでのLONDON行きだ!おまけにチェック・インの時に、カウンタ−のお姉ちゃんに、「キャナ!アップ・グレイド!ミ−!」なんて、冗談じゃなく本気でやってるもんだから、、、チョ−!ラッキ!ってなもんで、空席があったらしく、、、、通常料金でファ−スト・クラスに乗れちゃった。でぇー!搭乗口で、航空会社の職員のヤロウから、、「オレの全身、ボロボロに破けたジ−ンズって、カッコイイナァ−」ってウラ笑い!されてしまった。とうぜん、ファ−スト・クラスはス−ツ姿のジェントルマンばかり、であるが、まあ!気にしない!気にしない!気にしない!、、、、シ−ト・ベルトする前から、ワインがいただけるわ!本格的なイタリア料理は味わえるわ!で、身体をまっすぐ伸ばしたままの、初のファ−スト・クラス・フライト。やっちゃいましたぁー。
  で、オレも事務所のスタッフと一緒に!夏の涼しいLONDONでオフだぁ!展覧会だぁ!って、エッジウェアロ−ドの借りてるフラットを目指した。一足先に、住んでるスタッフと会って。「どう!最高っ?」って聞いたら、、やっぱ、始めてのLONDONで、恐くて、セブン・イレブンっきゃ行ってないって、、、、「なに、それぇ!」って!それじゃ、東京の家に居るのと変わんないじゃん!今夜から、夜の街、遊びに行こうよー!なんて、先頭きってLONDONの街に、繰り出すようになった。テクノやトランスのクラブ・イベントやら、LIVE!、、、『BODY COUNT』『PITCH SHIFTER』『BIOHAZARD』『ORANGE 9min.』『DOG EAT DOG』『COP SHOOT COP』おまけにサッカ−の聖地ウエンブリ−・スタジアムでやった『The Rolling Stones』とか、、、、数えきれない、、、あとは、ミュ−ジカルやまだ日本未公開の映画とか、、、、。
  あとは、偶然にも契約の件でLONDONに来てたプロデユ−サ−の『浅野典子』と会って、彼女の友人のイベントや展覧会行ったり、MO'WAXレ−ベルへ行って『DJ KRUSH』と契約してる若いレ−ベル代表のJAMESと会ったり、、、MO'WAXレ−ベルのデザイナ−の事務所に遊びに行ったり、、、
  いつも、LONDONの夏は日暮れが遅くて、永遠と続くように長くて、優しかった。クラブやライブではLONDONの街に暮らす若い女の子や、ガキとも知り合って、、で、朝方まで、一緒に遊んでは、また、また、オレたちのフラットで遊んだ。、、、、、おまけで、オレだけは寝室が、なくて、リビングのソファ−がベットがわりになっちゃうんだけど。まあ、でも、みんな毎日、なーんにも考えないで、よく遊んだもんだ。オレの出した展覧会なんか、オマケの!オマケ!(まぁ!どーでもイイッてこと!)。ウチのスタッフのみんなも、随分とタフになって、勉強してたLONDON滞在だった!?のか、なぁ。
  そうして1週間くらいたったら、今度はオレたちのフラットに、X Japanのギタリスト『hide』のマネ−ジャ−から『hide』1996版カレンダーのアートディレクションをお願いしたいっ!って国際電話がかかってきた!!「オ−hideちゃん!元気かなぁ!イク!イク!L.A.!『中山美穂』のアルバム撮影で、偶然にも1週間後L.A.!だから、そのタイミングで!どうよ!」、、、、しかし、偶然にもホドがある!けっきょく『中山美穂』の撮影スケジュ−ルと『hide』の撮影スケジュ−ルを、うまく組みなおして、すぐ、L.A.に戻って、やろう!ってなった。LONDONオフ滞在を続けるスタッフのみんなとは、残念だけど、、、、お別れをして。また、ふたたび、L.A.に戻った。また、同じHOTELにふたたびチェック・インしたら、即行で!近所に住んでる『hide』の家を訪ねた。アッハハハハァー『hide』が言ってたとうり、入り口の管理人は、オレのファッション見て「キミ!ナンカ!ガ!クル!マンション!ジャ!ナインダッ!」って、笑ってたか、、、なんか、そんな表情を浮かべてた。
  『hide』の部屋をノックしたら、東京でも見なれたなつかしい顔があった。ヘヤ・メイクの宮城くんが、ちょうどヘヤ・カットに来ていて、部屋ん中で『hide』の伸ばしっぱなしの髪をカットしてた。あとは、現地コ−ディネ−タ−のマサさん、、etc.で、今回、始めて仕事することになるカメラマン『菅野秀夫』さん&『田中和子』さんの2人!!『hide』には、もうカレンダ−のチョイとしたアイデアがあるらしく、、、ほんと小さい紙のキレッパシに自分で描いたラフ・スケッチをオレたちに見せながら、説明してくれた(それが、なんともウマイ!!ほんと、デザイナ−にしたかった、くらい、、、、、、)。そしたら、すぐさま、そのラフ・スケッチを描いた小さい紙をクシャクシャ!って丸めて、ポイッ!ってゴミ箱に投げ入れた。(はぁ〜hideちゃん!カッコイイ!イサギ!イイ!わ〜)
  オレたちは、それぞれで『hide』のアタマん中を、覗く気分で、そのアイデアに肉付けしたり、シンプルにしたり、ロケ場所をイメ−ジしたりした。、、、、で、オレも、通常の6枚組はやめて、グッシャ!グシャ!にしようぜっ!とか、いつも愛用してる「第3の眼=ビンディ−」も、これキッカケ!で取っちゃって、、、毎回のシ−ンで、ヘア・スタイリングも変えちゃおうゼィ!もっと、その長い髪キレッ!よ−!なんか、、、そんなようなこと、、リクエストしたっけ−。で、ミ−ティングも終わり、東京で会ってる時みたいに「hide!呑もうゼッ!なんか、イイ店知ってるぅ?」なんて、誘ったが!以外や以外!「撮影終わるまでは、ぜったいに呑まない!だって、ケンと行ったら、終わんないじゃん!顔ムクンジャウ!ジャン!」って、、、、スッゲ−!プロ根性!モデルのお姉ちゃんでも、守らない撮影前の!鉄則!!!hide!ったら!ヤルワッ!スッゲ−ジャン!
  まぁ、翌日は、昼から集合で、まずは、撮影許可が要らないサンタモニカあたりのビ−チの中からスタ−トした。『hide』の家に行ったら、マネ−ジャ−のクド−ちゃんと2人して、「ケン!クジラ見たくないっ?」って!なに言ってんの−!この二人ッ!!って思ってたら、マンション1階の駐車場に行ったら、例のhideちゃん!カ−!クジラみたいな!巨大なオ−ルド!アメ車をクド−ちゃんが運転してあらわれた!!「ギャ−何コレ〜!!カッコイイじゃん!」、、、どうも『hide』は一目惚れして、買っちゃったみたい(ただし、古い車だから、デリケ−トで、、以前L.A.空港に着けて!カッコ良くキメテ!行こうとしたら、ファンが見てんのに、エンストしちゃって、クジラ押したこともあるんだ〜なんて、相棒の話!キャハ!キャハ!喋ってくれた)。それで、今回はクジラ撮影に使うからって、連れてくことになったんだけど、、、クド−ちゃんとオレの2人で、乗り込むことになった。L.A.市内では、ホント目立つらしく!ピアスでいっぱいのクド−ちゃんと、上半身裸で真っ黒(まるで、メキシカンか!ヒスパニックにも見える)なオレが窓全開!でラジオのロック・チャンネル爆音でかけてる状態でしょ。、、、、高級車に乗ったジェントルマンも、素晴らしい笑顔で!挨拶してくれる「!!!カッコイイじゃん!」ってみんな、手を振ってくれた。サンタモニカあたりのビ−チに着いて、ちょっと夕方待ちで、オレは魚にメイク。そのあとは、のんびりと、みんなで、サンタモニカの心地良い風で身体をリフレッシュさせた。で、綺麗なサンセットとともに『hide』は、昨日のスケッチどうりの山高帽子と黒い衣装に変身して、あらわれた。いよいよ、シュ−ティングの開始だぁ!『hide』も菅野さんもスタッフも、そのL.A.サンタモニカでやってるとは、とても思えないシュ−ルな絵の中に突入していった。運良く、美しい流木があったりして、流されながらも、どこまでも海面に入っていくオレたちが、そこに居た。
  その後、夜は綺麗にライトアップされたラスベガスっぽいイメ−ジのカジノに行き、クジラの中や、クジラの上に乗ッかって!新種の遊び人を演じる『hide』を撮影した。で、帰りは、『hide』がよく行く手羽先屋さんで、ウマイ飯とビ−ル+焼酎+日本酒で、、、カル〜ク!やった。なにせ!明日は、早朝スタ−トだ!
  翌朝、新しいスタッフ?が加わった。『hide』が紹介する、、、、新人カメラマンの稲田くん!で〜す!、、、なんと、VIDEOカメラを回すのは、X Japan + hide のマニュピレ−タ−『I.N.A.』ちゃん!だぁ!(実は、撮影終了してから、オレは教えてもらうんだけど、、、、ね−『I.N.A.』ちゃん!)
  で、まずはオ−プン前のス−パ−マ−ケットで商品グシャ!グシャ!グシャ!グシャ!グシャ!グシャ!にして遊ぶ『hide』!そして、それを、警備員室から観察する、、、もう一人の『hide』!
  それから、それから、、『hide』初めてかも知れない!!、、、、、、、、、リ−ゼント風味に髪をあげた『hide』がミ−トマ−ケットの中で、究極のディナ−!酒は蛍光色に発色する(とても、呑めそうもない)あやしいヤツ!!リ−ゼント風味は、もしかしたら、、、オレが最近、あの、『横浜銀蠅』のJOHNNYさんと一緒に、なぜかL.A.で『中山美穂』の仕事しててぇ、、、なんて喋ってたから、、『横浜銀蠅』のトレ−ド・マ−ク(今なら氣志團!?か!!)を『hide』なりに、、パロッた!のだろうか?真相は、、、今だ、ヤミの中!
  そん時、新人カメラマンの稲田くん!は、買い物カ−トの中にビデオ・カメラを設置して、ス−パ−マ−ケットの中を走り廻ってたから、、、変なヤツだなぁ〜なんて、そん時は思ってた、けど、、、翌年『hide』がリリ−スするシングル!!!『MISERY』のビデオ・クリップの中で、、、見れるとは、、、ヤルね−『I.N.A.』ちゃん!
  それから、それから、、hide撮影軍団は、「お香のにおいがものスゲ−、アジア・テイストのクラブ」やら「巨大な風力発電所」やら「とても、立ってられない暑さの砂漠」やら、、、広大なL.A.中を、どっぷりと旅して廻った、廻った、廻った、廻った、廻った、廻った、廻った、廻った、廻った!で、朝がた、やっとのことで、シュ−ティングが終わった!Yo!Yo!Yo!Yo!Yo!『hide』の住むマンション近くのレストランに向かった!が!お疲れさ−ん!のビ−ルがこの店には、、、、ない!、、、、、そうだ、、ここはカルフォルニア州だ!タバコは店内では、吸えないし、、、アルコ−ルも時間制限があった。(泣!)でも、「撮影終わるまでは、ぜったいに呑まない!」ってガマンしてた『hide』にとってお待ちかねの時間じゃ、ないですか、、あと、1時間くらい!待ちましょう!ってことで、時間きたら大ジョッキ!大ジョッキ!大ジョッキ!って、やっと!みんなで、うまい酒のんだ!もう、翌朝11:00だぁー。で、その日の夜、改めて呑もうッ!って約束した。
  その夜は、もうこの3日間分の、打ち上げダア!!ってことで、L.A.のスタジオ・シティ近くにあるX Japanのメンツが、よく行く日本料理屋へ、向かった。そこでは、もう、ほんとひさびさ!の『PATA』も顔を出した。ひさびさの撮影が、うまく終了したのと、、まるで、、西麻布や六本木が、そんままL.A.に来たみたいなメンツ!で、、ちょっと!みんな、ハジケすぎちゃった。
まあ!この日も、一番呑んだのは、バカなオレで、、、酔っぱらっちゃ、ギャグに走って、歩いていける隣にあるゲイ?クラブに上半身裸で入っては、入り口の店員を困らせたり、、じゃ、、ってケツだしたり、、もう、、メチャクチャ!で、爆笑の台風が来たみたい!だったらしい。菅野さんも珍しく、翌朝、東京に帰るってんでチェック・アウトの時に、会ったら、、、、まったく途中から記憶が、ないっ!って言ってた。それくらい、とことん打ち上げたんだなぁ!、、、、、ホント。『hide』との初セッションは!最高のテンションで盛り上がりました、なりぃ〜!
  オレは明日からは、『中山美穂』のアルバム『Mid Blue』ジャケットの仕事がスタ−トだぁ!
  カメラマンの『フィリップ・ディクソン』は、わざわざ、オレに会いに滞在中のHOTELまで来てくれた。オレは大好きだった映画『カルフォルニア』のスチ−ル写真や、POSTERが、気になってた、、、。でぇ〜。ひさびさに、緊張して一人部屋で、待ってたら、、『フィリップ・ディクソン』は、素朴な服と、サンダルでひょい!ひょ〜い!ってくらいの、軽いニュアンスでやってきた。で、そのままHOTELのカフェで、喋った。『中山美穂』のプロフィ−ルとか、オレが持ってるイメ−ジ・ニュアンス、ロケ場所のイメ−ジを、なんとなく、事前の紙資料で掴んでたのか、、、打ち合わせは、とても、スム−ズだった。ロケ場所はHOLLY WOOD。家の中心にプ−ルのある、、、、お金持ちのゲイのカップルが2人が住んでる、ほんと、ゴ−ジャスで、タメ息が出るくらいの豪邸だった。
  周辺には、誰もが知ってるHOLLY WOODのスタ−が数多く住んでるらしい。よく、TVの中で紹介される閑静な、そしてリッチな、これぞHOLLY WOOD!!って感じの地域だった。そこで、美穂ちゃんがメイク・アップしてる間、普段オレが現場でやってるように、『フィリップ・ディクソン』と、12カット必要な、構図を、2人でポラロイドをきりながら、偶発的に!アプロ−チして!決定していった。(もちろん、オレがダミ−で美穂ちゃんのかわりにスタンド・インするのだが、、、)
  とにかく、『フィリップ・ディクソン』のポラロイドは不思議だった。L.A.のホント!眼をあけてると、眩しすぎる日ざしにも、かかわらず、、、ポラロイドに写し出されるオレは、恐いくらいの重量感のあるものだし、、、L.A.の、この光を!彼は知り尽くしてるっ!って思ったの、ね。で、そんな明るい中、かなりの光量のストロボも使用してたし。ファインダ−の中は、もう真っ黒!で、オレの眼では、、、なんにも見えなかったのだ。(いまだ、謎!)
  『中山美穂』が『フィリップ・ディクソン』の前に、立ち。、、、、セッションがスタ−ト!するのだが!ポラロイドに写し出された自分を見て、あの撮影慣れしちゃってる『中山美穂』が!びっくりして声をあげた。「ケンさんっ!フィリップさん!凄ぉ〜い!凄い!なんで、こんな綺麗に写っちゃうのぉ〜!タダ!タダ!ボ−ゼン!」ってワケで、12カットは、あっ!っと言う間に終了した。
  が、、、フィリップは、撮影中にも間に呑んでたコロナ・ビ−ルをオレと美穂ちゃん、スタッフに差し出して!「チア−ズ!」って、やったら、プ−ルの中に飛び込んじゃった。美穂ちゃんも、撮影中少しプ−ルの中にいたから、またザブン!っと飛び込んで!またっひとつカッコイイ仕事が終わった。
  で、、、プ−ルからあがった美穂ちゃんが、タオルかぶってたら、、、『フィリップ・ディクソン』ったら、、「ワン・モア・ロ〜ル!!プリ−ズ!!」って、完成された12カットには、ない素顔の『中山美穂』がキャハハハハァ−ってやってるのを切り撮った!(これも、また、いままで見せたことのないカットだった)、、、帰りの車の中。珍しく自分の撮られたポラロイドを大事そうにかかえて、、「ケンさんっ!今までで、一番好きな写真が撮れたよー!アリガトッ!」って喜ぶ!美穂ちゃんが居た。
  翌日、『フィリップ・ディクソン』が写真の現像をやるスタジオまで行った。彼は、プリントも全てそこで、作業しているらしく、、、過去のネガフィルムやら、ポジフィルムも全て、管理してた。で、またオレは「映画『カルフォルニア』のスチ−ル写真のベタあるぅ〜?」ってワガママ言って、、、彼が現像作業してる中、、、、『カルフォルニア』の写真ベタをさがしては、見たこともないブラッド・ピットとジュリエット・ルイスがプライベ−トで抱き合ってる写真だとか、他のカッコイイ写真のネガをセレクションしては、「フィリップ〜お願いだから、、このプリント焼いてプレゼントしてよ〜う!」ってお願いした。
  もちろん、『中山美穂』のアルバム『Mid Blue』のプリントは、どのカットも素晴らしく!見たこともない黄金に輝いていた。やっぱり巨匠の仕事は、段違いでグレ−ドが違うなぁ〜!って、えらく『フィリップ・ディクソン』とのグッドなタイミングでの出会いと、そのセッションに胸を張ったものです。
  あっと言う間に、東京を離れて1カ月。LONDONのフラットとも別れ告げた、、ウチの事務所のみんなが待ってる、久しぶりの日本へ。東京へ戻ろう。で、そろそろ住み慣れかけてたL.A.のHOTELをチェック・アウトする。
  、、、、なんか、、寂しいなぁ〜なんて、、、帰路は、いつも寂しい、、。『hide』に電話で「今度、東京で呑もうなぁ!デザインできたら、DHLでおくるからぁさぁ〜」って、やっぱ寂しい。
  JOHNNYさんと、美穂ちゃんはレコ−ディング・スタジオ入る前に、オレのHOTELまで来てくれてBYE ! BYE !
して見送ってくれた。1995年、今年はじめて来た街だけど。また、、また、、、この街L.A.に戻ってこよう!そう強く思った。
  機内で、『フィリップ・ディクソン』の納品になったコンタクト・プリントの箱の下に、、なんと。
オレがスタジオでリクエストした映画『カルフォルニア』のアナザ−・カットが入ってた。サイン!っと一緒に「ケン!アリガト!デモ コノ プリント インサツ シタリ コピ− シナイデ ネッ!」黙ってくれたプレゼントに感激して、ちょっと、ホロリときた。、、、、ありがとうございましたっ!オレたちの1995年の、夏!